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ポネット

ポネット

ビクトワール・ティビゾル

ポネット

おすすめ度:

メーカー: 日活


自動車事故による母親の突然の死が受け入れられず、再会できることを一心に願い続ける4歳の少女。そのいたいけな姿には思わず目頭を押さえずにはいられないジャック・ドワイヨン監督の佳品。とはいえ、よくある「お涙ちょうだい」の映画ではなく、ゆるやかな時間の流れ、控えめな音楽などむしろ抑制を利かせたタッチで、無心な子どもの世界が淡々と、しかし実にリアルに描き出されている。 圧巻はやはり、主役のヴィクトワール・ティヴィゾル嬢。その名演技には、『ミツバチのささやき』のアナ・トレントを連想させたりもするが、作為のまったく見えない感情表現といい、気持ちの入ったせりふ回しといい、まさに恐るべき少女といえるだろう。ほかに、傷ついた幼い魂を慰撫するかのような自然と陽光の美しい映像も観ものだ。(武内 誠)


子役の演技というもの
「4歳児を主人公にした映画」「4歳児に演技をさせる」。これだけ困難で無謀を極める企画は他に類を見ないかもしれません。「ポネット」はそれを見事にやり遂げてしまった作品です。論理的な思考力もなく知識や経験も極めて乏しい、概ね直感や本能で行動してしまう幼児に対してどれほど演技の手ほどきをし、どのようにあれほどの演技を引き出していったのか。監督のジャック・ドワイヨンをはじめ、製作陣の情熱や根気にただただ感服するばかりです。



子役映画は「キッド」をはじめ「チャンプ」、「オリバー」、「ホームアローン」等多数あり、名作が少なくありません。子役特有の新鮮で爽やかなエネルギー、純真無垢で持った無意識の演技は大人の役者には決して生み出せないものであり、それが作品を上質なものに仕上げます。



他人の人生を演じるということは、人間観察が大切であり、これまでの人生経験、記憶、思い出等を総動員しながらキャラクターを練り上げていくものですが、この世に生を受けてわずか4年の幼児にはこのプロセス自体当てめることはできません。そうなると、ポネット役のヴィクトワール・ティヴィゾルの演技は演技というのか、いわないのか?・・・そう考えると、演技というものがますます分からなくなり、しばらく考え込んでしまいました。また映画の可能性ということについても改めて考えさせてくれた素晴らしい作品でした。





少女から溢れる信じるという勇気。
ポネットがただひたすら母の姿を夢見て追い続ける様子に、滑稽さと感動を感じた。彼女の周りの人間たちの現実主義を押し通す様子がなんとも憎らしくなるほどポネットの信じ続ける姿には強さがあったのだ。起こることのないであろう神秘的奇跡を信じてしまいたくなる夢想的な作品である。奇跡的なほどリアルに映されているが、それを一番象徴し、重要以上の位置を支えているのが、4歳の少女である。リアリティを超えた神秘的な演技は才能というより、天賦の光を自然に感じてしまうのである。フランスだから撮れるフランス映画でしかないこの眩しいほど少年少女的な純粋な作品をすべてで味わってほしい。その確かな奇跡性にこれまで感じたことのない解けるような心の回復を感じるだろう。日本では絶対的に作ることができないだろう、芸術的な作り手の勇気を感じる。少女の演技は日本のどの女優よりも聡明である。

ママが死んじゃった?それは大人の人が理解できること。
1996フランス。
 ママが交通事故で死んじゃった。パパとポネットが残された。二人で生きていかないといけない。ママが死んだということがポネットには納得できない。
死ぬというのはどういうこと?
ママの妹のおうちに預けられる。おばさんといとこたちは一生懸命ポネットに気をつかう。けなげである。
それでもママは夜、夢の中に出てくるのだ。ママが死ぬとイウコトは納得できない。
ラストシーン。お墓にいったら、ママが出てきた。ママはポネットに「天国にいること。ポネットが笑顔を忘れないこと、楽しい人生をおくって欲しい」と語るのだ。幽霊かもしれない。振り向くとママはいなかった。パパが帰ってきていた。あれはポネットがみたママの幽霊なのか。あるいは、大人が演じたママの姿だったのか。わからない。きっとママがポネットのお願いをきいてあらわれたのだろう。
幼児の位置に制作者たちはわが身をおき、カメラで記録した。
この作品は「実験映画」としてうけとめる。制作者はよくぞ作り上げたと感心する。


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